EMS

「Electronics Manufacturing Service」の略で、自社ブランドを持たずに電子機器の製造や設計を行うこと、またはそのように他メーカーから受注する電子機器の受託生産を専門に行う企業のこと。次々に新しい電化製品がリリースされるようになり、電化製品の短命化が加速する中、自社ブランドを持つメーカーが過剰設備の工場を維持するよりも、製造専門の企業にアウトソーシングするほうがコストの抑制につながることから広がってきた、経営効率を高めるために生まれた企業形態。EMS採用の最大のメリットは、経営資源の集約化にあるといえる。EMSはもともとアメリカで確立されたビジネス形態で、日本においてはソニーが2000年にアメリカのEMS企業ソレクトロン社に製造を委託をしたことが大きなきっかけとなり、それ以降EMSを採用するケースが増加している。メーカー側にとっては、工場や人件費の削減によるコストダウンが図られ、EMS企業側にとっても他社との取引もできる上、製造技術の向上も見込めるといったメリットがある。このビジネス形態が生まれた当初は、主に製造とサービスを組み合わせた事業内容が中心であったが、1990年代後半から工場買収を中心にEMS企業が急速に力をつけ、従来行っていた電子機器の設計、製造のみに留まらず、開発から物流管理、販売までの全工程を請け負うなど、そのサービス範囲を急速に拡大していった。EMSの形態は、発注元が設計を行い、製造のみを受託する「OEM(Original Equipment Manufacturer)」と、設計と製造を併せて受託する「ODM(original design manufacturer)」の大きく2つに分けることができる。なお、EMSを行う企業には、EMSを専業とする企業と、EMSとして受託生産を行いつつ自社の独自ブランドも手掛ける企業がある。また、EMS企業に受託生産を発注する大手メーカーであっても、逆に他社の生産を請け負うこともしばしば行われているため、「EMS企業」という企業分類には曖昧さも存在する。代表的な大手のEMS企業として、Wistron社(台湾)やホンハイ社(台湾)、フレクストロニクス社(シンガポール)などがあるが、このような大手EMS企業は東アジアや東南アジアに集中している。日本国内のEMSを専業としている企業には中小企業が多く、受託形態としては実装系から出発して組立てまでを受託するものが圧倒的に多い。

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カテゴリ: WEB担当者様向け

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