フェムトセル

オフィスや家庭内などに設置することが想定された、きわめて小規模な携帯電話基地局(セル)のこと。従来の携帯電話基地局は、半径数百メートルから十数キロメートルの電波出力範囲を持ち、その大きさから「マクロセル」とよばれる。これに対し、フェムトセルがカバーする電波出力範囲は半径数十メートル程度であり、極小規模という意味合いで「フェムトセル」と名付けられた。「フェムト」は「1000兆分の1」を表す言葉である。屋内で通信できるという点では無線LANに似ているが、携帯電話側で無線LANに対応している必要はなく、今まで通りの携帯電話で使用できることが特徴。なお、その外観も無線LANのアクセスポイントやブロードバンドルータによく似た形状をしている。第3世代携帯電話(3G)などの高い周波数帯の電波は直進性が高く屋内に電波が届きにくいという性質があるが、フェムトセルでカバーすることでより密なエリアカバーが可能になる。その場合、光ファイバーやADSLなどのブロードバンド回線をバックボーンとして利用する。現在のところはまだまだ発展途上といえるフェムトセルだが、日本の各携帯キャリアにおいても少しずつ商用サービスが開始されはじめている。NTTドコモの「マイエリア(2012年9月30日でサービス終了)」、auの「auフェムトセル」、ソフトバンクの「ホームアンテナFT」などである。キャリア側にとっては、フェムトセルが普及すれば通常の基地局を利用するユーザーが減るため、設備の負担が軽くなり、基地局の増強に費やすコストを低減できるという面も期待できる。ユーザー側にとっては、宅内に専用の基地局が置かれることで電波状況の改善・通信品質の向上というメリットが得られる。その一方で、近接するほかの基地局(既存のマクロセルや近隣のフェムトセル)と電波が干渉する恐れがあることや、マクロセルとフェムトセル間のハンドオーバーの問題、インターネット回線をバックボーンとして利用するためベストエフォート提供となってしまう点やセキュリティの問題など、課題も残されている。なお、すべてのプロバイダがフェムトセルに対応しているわけではないので、導入の際には注意が必要である。フェムトセルは、将来的にはブロードバンドルータやWi-Fiアクセスポイントなどの機能を統合した情報通信のハブ的な役割をも果たす可能性を秘めており、すでに海外ではそのような利用の例も存在する。

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カテゴリ: WEB担当者様向け

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